March 2016
夢の街
Frankfurt, Germany
「夢の街」
このままじゃダメだ。変わらないと。
藁をも掴む思いで、初めて訪れたのは6年前の同じ頃。
毎年2月に欧州最大の雑貨の祭典が開かれるこの街は、
雑貨を扱う僕らにとって、近くて遠い夢の街でした。
起業してから3年が過ぎたあたり。
早朝から夜中まで、みんなとゲリラ戦のような毎日。
これは食べられるビジネスかな。
とりあえず食ってみようよ。
ダメなら吐き出せばいいじゃないか。
みんなの疲弊を肌でひしひしと感じながらも、
新しい道を拓く術も、先立つものもなく。
どっちにも進めない、何をどう考えても元の場所に戻ってくる。
ただただ、同じ場所に立ち尽くしていました。
こんな毎日から脱したい。
やっと手に入れた経由便のチケットは、片道に24時間。
宿泊していたユースホステルに無料でついていた朝のパンとチーズ。
ランチ用にバッグに詰め込んで、会場までのふた駅の道のり。
電車には乗らず、二人で凍えるような雪の中を、
くだらない冗談を言いながら歩きました。
あれから毎年、この時期にここに来ています。
この街へ帰ってくるたび、あの時の情景が脳裏にフラッシュバックする。
そしてまた、チャレンジャー魂に火を点けてくれるんです。